風刺劇とは言えない。
ギャグで笑わせるだけでない。
不条理などと手垢のついた言葉で形容したくもない。
つまりは脚本がよくできている。題名もいい。
ウッディシアター中目黒に
満劇(満員劇場御礼座)「まゆつば中目黒版」を観に行った。
全6話のオムニバス。2時間たっぷり楽しめる。
僕が好きだったのは第4話「さいしょのダンス」と第5話「肯定ペンギン」。
「さいしょのダンス」は未来の話。
燃料電池の不良で翌日回収・解体される人体ロボットと
女主人である元ダンサーが登場する。
交通事故でいまは満足に踊れぬ女主人に
最後の頼みとしてダンスを教えてほしいと頼むロボット。
二人はぎこちないワルツを踊りながら
別れの朝までの短い時間を愛おしむ。
「肯定ペンギン」は
なぜか日本語を流暢に操るペンギンが主人公。
飼育士の男女の合コンに関わる問いかけに
ペンギンがすべて肯定して調子よく合わせるナンセンス。
答えに詰まるとあどけない仕草でごまかす演技の反復に
思わず口元がゆるんだ。
なんとなく重苦しいような日々を過ごす僕たちに
演劇の時空間を割り込ませるのは簡単なことでない。
サービス精神たっぷりでありながら
笑わせホロッとさせ、ついつい考えさせる満劇の芝居。
久しぶりに劇場空間にひたることができた。
客席にはブロガーharuharuyさんなど見知った顔も見えた。
ウッディシアター中目黒で12月9日(日)まで。
上演開始時間が変則なので出かけるときは確認を。
僕は劇場受付で当日券を購入して入場した(3,500円)。