劇団☆新感線『蒼の乱』(2014)


3歳のとき、母に連れられて愛宕山NHK
浅草の大スター、デン助こと大宮敏充劇団の公開録画に通って以来、
およそ半世紀ほど「板」で演じられるものを見続けてきた。
以前のように劇場に通い詰めることはいまはないが、
この劇団の招待状をもらうといそいそ出掛けていく。



客席の明かりが落ち、
ロックミュージックが始まったとたん劇的世界に入り込む。
20分の休憩をはさみ3時間45分、浸りきる。
劇団☆新感線2014年春興行、いのうえ歌舞伎『蒼の乱』を観る。
主役の天海祐希に見惚れてしまった。
凜々しい。可憐である。



民から税を搾り取り、都で贅を尽くす貴族たちに、
東と西から反乱する物語だ。
唄あり、踊りあり、ギャグありで少しも退屈しない。
物語も複雑ではなく、
日々の営みですっかり凝った頭と肩を適度にほぐしてくれる。



音響、映像はいつも最新技術を取り入れている。
が、それが全面に出ることもない。
人間の生活には、ときに劇場空間が必要であることを
思い出させてくれるのが劇団☆新感線の公演だ。



東京公演は4月26日まで。
大阪公演は5月8日から27日まで。


(写真は『蒼の乱』公式サイトより引用)



(デン助こと大宮敏充)