劇団☆新感線『Zipang Punkー五右衛門ロックIII』


劇団☆新感線Zipang Punkー五右衛門ロックIII』を
渋谷ヒカリエ東急シアターオーブに観に行く。
歌と踊り満載で20分の休憩をはさんで3時間50分。
18時開演で、終了したらもうすぐ22時であった。
これでもか、これでもかと客のお腹をいっぱいにするのが
劇団☆新感線」ミュージカルの流儀である。



笑った、笑った。
あまりに笑いすぎて隣りに座っていた同居人が
身内に思われたくないと他人のふりをしていたくらいだ。
秀吉役の麿赤兒が今回の一番の見ものだったことは
同居人と意見が一致した。



麿は舞踏家・土方巽に師事し
唐十郎と1966年「状況劇場」を設立。
その後1972年、舞踏集団「大駱駝艦」を旗揚げした。
初めての「劇団☆新感線」客演で舞台が締まった。
69歳とは思えぬ迫力ある演技である。
舞台がはねた後、「大駱駝艦」の名前を入れたコートを着て
渋谷の雑踏にひとり消えてゆく麿の姿が印象的だった。



シアターオーブは初めてだったが、
舞台空間、舞台裏の使い勝手はなかなか面白い。
この時期みな厚着をするので
クロークを長蛇の列にしてしまうのは設計ミスではないか。
2階ホワイエで持ち込み飲食できるのは有難いが
肝心の劇場の軽食メニューが貧弱。
劇場空間を訪れた愉しみを減らしている。
今回のような長時間公演ではつらい。



2013年1月27日まで5週間以上に及ぶ年越し公演。
中高年の観客まで集められる演し物だ。


麿赤兒の写真は公演パンフレットより引用。
 撮影:野波浩、衣装:小峰リリー)


(文中敬称略)