カザフスタンに帰って行った日本人

クリッピングから
東京新聞2020年6月19日朝刊
阿彦哲郎さん死去 元カザフ抑留者


この方のことは存じ上げないが、
訃報を読み、どんな人生を過ごしたのか気になった。


  第二次大戦後に旧ソ連カザフスタンに抑留され、
  現地で暮らしてきた阿彦哲郎(あひこてつろう)さんが17日、
  老衰のため同国中部カラガンダアクタス村の自宅で死去した。
  89歳だった。
  親族などが明らかにした。


  日本側が把握する元抑留者の中で、
  解放後も現地に残り存命だった最後の一人とみられる。
  1930年樺太・本斗(現ロシア・サハリン州ネベリスク)生まれ。
  45年8月のソ連の対日参戦で樺太が占拠された後もとどまり
  48年に逮捕された。


  旧ソ連各地の収容所を転々とした後に、
  カラガンダ州の収容所に移され54年に解放。
  同州アクタス村で家庭を持った。
  94年に初帰国し、2012年には永住帰国の意向で札幌市に移住したが、
  生活になじめず、14年に再びカザフに戻った。
  阿彦さんの半生を描いた劇「アクタス村の阿彦」がカザフの国立劇団により舞台化され、
   17年12月には東京公演も行われ、
  これに合わせて一時帰国したのが最後の日本訪問になった。
(モスクワ・共同)


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淡々と記された事実の行間に、
時代の波を生き抜いた、ある日本人の物語を読み取ってみたくなる。
ご冥福をお祈りします。