後半1/3が俄然面白かった。
百田尚樹『夢を売る男』を読む。
- 作者: 百田尚樹
- 出版社/メーカー: 幻冬舎
- 発売日: 2015/04/03
- メディア: 文庫
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出版不況が続く中、人の本は読まないが、
自分の本は出版したいと望む人がいる。
丸栄社編集部長・牛河原は客に合わせて融通無碍。
相手の自惚れと勘違いにつけ込んで
ジョイント・プレス(共同出版)を持ちかける。
相手に喜びを与えながら金に換えていくというのが
牛河原の論理だ。
詐欺同然のライバル社が丸栄社の商売を脅かして以降の
牛河原の反応が僕には面白かった。
甘っちょろい夢などとうの昔に信じちゃいないが、
出版人、編集者として矜持をドブに捨てた訳でもない。
テレビ界から出てきた百田だけあって
ドラマ台本と受け止めた方がより楽しめる気が僕はする。
読者の気をそらさない達者な語り口だ。
(文中敬称略)