不器用で硬骨漢の新聞記者が
かつて読売新聞社会部にいたんだなと知った。
本田靖春『我、拗ね者として生涯を閉ず』を読む。
- 作者: 本田靖春
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2005/02/22
- メディア: 単行本
- クリック: 6回
- この商品を含むブログ (19件) を見る
戦後のある時期まで、確かに新聞は元気だった。
それは憲法が保証した言論の自由とおおいに関係があった。
本田は60年代後半から社会部の後退、
新聞の活力がなくなる時代が始まったと本書に記す。
社主正力松太郎への社内の服従姿勢が
読売退社の大きな動機になった。
世に言論の自由を問う新聞記者が
社内で物言わず、長いものに巻かれるようでは話にならない、
と勝ち目の少ない闘いに挑んで啖呵を切る。
フリーランスになり貧乏生活を送っていても
硬骨漢の姿勢はぶれなかった。
自分の才能を高く買った文藝春秋・田中健五を敬愛しながらも
思想的に同一と見られることを嫌い距離を取る。
本書は絶筆として最終回未完のまま講談社から出版された。
拗ね者としての自分を受け入れた講談社の面々に対する
本田の信頼は最後まで変わらなかった。
- 作者: 本田靖春
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2007/11/15
- メディア: 文庫
- 購入: 2人 クリック: 31回
- この商品を含むブログ (23件) を見る
- 作者: 本田靖春
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2007/11/15
- メディア: 文庫
- 購入: 2人 クリック: 8回
- この商品を含むブログ (23件) を見る
メディアの仕事を志す若者に一読を勧める。
既に文庫上下二冊になっている。