他人に助けを求める練習


87歳になった母は1年半ほど前に
友人のネットワークで知った区のケアハウスSに引っ越しした。
自分で引っ越し屋さんに頼んで自力で引っ越したから
たいしたもんだと思う。
僕と弟は月々40,000円の金銭的サポートだけしている。
その母が介護保険申請で要支援1の認定を受けたと
ケアハウス相談員のMさんから連絡が入った。



僕はそろそろ母の認知症・介護への準備も始めたいと思い、
務めている社が開いた「離職防止介護セミナー(初級・入門編)」を
各1時間計2時間受講していた。
介護によってやむなく離職に追い込まれそうな社員を守り、
社の制度を改良するためにこうしたセミナーを始めたのだ。
その中心には同僚の女性社員たちがいる。
強者の男性社員たちも足元の家庭が崩れ出せば、案外脆いものだ。



要支援1の認定が降りたことで
区の包括支援センターのケアマネジャーKさんが
母の担当に付いてくれることになった。
Kさんのフィーは国や区が持つことになる。
Kさんは母本人と相談してケアプランを立てる。


僕は会社の時間休を使って、Kさんと面談した。
費用の9割を介護保険で負担してもらうために
山ほどの書類にひとつひとつ書名捺印していく。
ケアマネジャーの懇切丁寧な説明なしでは
本人も家族も中途で迷子になり、めげそうだ。



幸いKさんはプロフェッショナルの知見と、
ケアされる側への心遣いの両方を備えているとお見受けした。
保険がなければ月々30,000円を超える負担が
3,000円少々で済む計算だ。
これなら現在毎月母に仕送りしている金額に
弟と折半して1,500円を加えればいい。
「猫の目家計簿」で充分やりくりできる範囲だ。


僕にとってこうした世界は未知のことばかりで、
周りの人々に助けてもらえなければ
日々の仕事も危うくなる。
未知のことには人間、不安がつきまとう。


「他人に助けを求める練習も早めにしておくといい」
というのがセミナー講師を務めた
NPO「となりのかいご」川内潤さんのアドバイスだ。
「となりのかいご」のフェイスブックページ「会社員のための介護」
介護問題の初心者である僕たちにとって参考と励みになる。
お悩みの方、お困りの方は参考に一度ご覧ください。