働かぬ理由は何歳までいるの(小野小乃々)

クリッピングから
讀賣新聞2024年4月22日朝刊
読売歌壇(俵万智選)
今週の好きな歌3首、抜き書きします。


  働かぬ理由は何歳までいるの
  土にかえれぬ舗道の落ち葉

     新宮市 小野小乃々


    【評】高齢になっても働くことを余儀なくされる
      昨今の日本の状況。
      人間も自然の一部のはずなのに。
      暗澹(あんたん)たる気持ちになる下の句だ。


  顔という丘に両手を這わせると
  星が見えなくなる場所がある

        豊中市 葉村直


  百年の眠りを解いてやるように
  水へと放つ切り干し大根

      平塚市 小林真希子


今週のもう2首。


  通勤で啓発本を読む人の
  座席を譲る動きがきれい

     下関市 伊藤雄大


  三次元座標のような渋谷駅
  ランドセルの児はすいすい歩く

       静岡市 柴田和彦



(毎月第2週担当講師が万智さん。司会はヒコロヒー)