うえにしたに、ラジウム湯。

yukionakayama2007-08-25

栃尾又温泉には三軒の温泉宿がある。
三軒が共同でふたつの温泉を管理している。
「うえの湯」「したの湯」である。
「したの湯」真下から、36℃の温泉が
毎分102リットル湧く。
日本で二番目にラジウム含有量が多い湯なのだ。
この時期は気温体温水温がすべて同じくらいになる。
一時間やそこいらつかっていても心臓に負担がくることはない。
名湯がすべからくそうであるように
軽く柔らかく、身体への抵抗感がまったくない。
湯に全身が包まれ、まるで胎水にいるような錯覚を得る。
身体の芯にあった疲れや凝りの素が皮膚の表面に浮かんできて、
いったんぐったりはするけれど、
やがてその素が消えていくような感覚を味わう。
マッサージや鍼灸
信頼できる先生の治療を受けたときの感じに似ている。
湯あたりしないように注意しながら、
秘湯会は朝昼晩と名湯につかる。
「うえの湯」と「したの湯」は男女、時間交代で使用する。
三軒が湯を共同管理することで、
必要以上の湯船や露天風呂を作って
せっかくの湯の効能を薄めることもない。
湯守りの知恵である。
(写真は「うえの湯」。
 私たちは冷奴のようにこの湯につかる)