紙に書いて持っていけ

早めに帰れるとき
会社の近所の本屋で新書を一冊買う。
帰りの電車と
帰り着いた駅の近所のエクセシオールで
合わせて三時間もあれば読み終える。
この日選んだ本は、
与謝野馨「堂々たる政治」(新潮新書)。
今月号の「文藝春秋」での麻生太郎との対談が
なかなか読みごたえがあったので
与謝野さんの考えをもう少し聴いてみることにした。

堂々たる政治 (新潮新書)

堂々たる政治 (新潮新書)

日本原子力発電に務めた頃の与謝野さんの上司、
今井隆吉さんの言葉をメモしておく。
「人を説得するときは内容を紙に書いて持っていけ」。
与謝野さんは以来、この教えを実行している。
なぜなら人の話を聴くことは
簡単なようで結構負担があるものだ。
話す人にとっては自明のことでも
聴く人には初めての内容である。
紙に一度書くことで自分の考えを整理したり、
どんな順番で
どれくらいの時間をかけて話したらいいか
落ち着いて検討することができる。
仕事の達人の教えは簡潔であり、
きょうからでも実行できる。