アメ横の夜はふけていく

上野に所用で出かけ
帰りにアメ横に寄った。
同居人にPatrickのシューズ、
自分のために小ぶりの革のバッグをひとつ買った。
なんだか棚の上のバッグが
僕を呼んでいるような気がしたのだ。
ご夫婦らしき二人が小さな間口の店で
30年商売をしている。すべて手作りの製品である。
ベルリンで買ったベルトが
どうにもゆるめで不具合だったので
バッグを買ったついでに穴を開けてくれるかな
とダメ元で尋ねてみた。
「普段はやらないんだけど、ね」
と主人が二つ穴を開けてくれた。
なにごとも間合いが大切。
口に出して言ってみるもんだ。
その後、同居人、出向元の元同僚と合流して
気になっていた台湾料理の店に行くことに決めた。
この同僚は台湾で仕事もしている。
最近ではブータン王子のメンターも引き受けたから
彼の地に出かければVIP待遇は間違いない。
アジア通である。
台湾小菜「新東洋」はピーナッツとしらすの揚げたもの、
干し大根入り卵焼き、レタスのオイスターソース炒めなど
常備菜のメニューが並ぶ。
格別おいしいというわけでないが、
家庭の普通のおいしさというのも悪くない。
僕は以前、台湾のある新聞社が
6年連続で広告賞の審査員に招待してくれていたので
台湾には愛着があるのだ。
以来、中国と台湾と日本の関係についても
気になっている。