ひっそり店をたたむ理由


少し前のデジタルノート、
「西新橋一丁目・食事情シリーズ」で紹介した
「わっかない亭」が突然店をたたむことになった。
僕は研究のために一度寄ったきりだ。



筆で書いた閉店の辞によれば
この地で40年も商売を続けてきた老舗であるらしい。
理由は分からないが、文章を読んでいると
当事者にも「突然」であったように思える。
どんな物語があったのか。
いずれにせよ
自ら辞任を決めた一国の総理とは事情が違うだろう。
それなりに繁盛していたからファンも付いていたに違いない。


この界隈でこうしてひっそりと閉店していく店に
引越ししてきてからもう数軒出会った。
平穏な中に激動が潜んでいるのかもしれない。
少なくとも関係者たちにとっては「事件」に違いないのだ。
僕の食文化人類学ノートにも、
小さな歴史が刻まれていく。