『父ありき』のストイシズム


小津安二郎シリーズその6『父ありき』を観る。
佐野周二演じる息子が、笠智衆演じる父と
最後に温泉旅行に出かけるシーン。


息子はこれまで離ればなれに暮らしてきたことを寂しく思い、
これからは父とともに暮らしたいと打ち明ける。
しかし、父は、
「自分に縁のあった土地で自分の仕事をやりとげなさい」
と息子の申し出を断る。
自分の希望がわがままであったことを悟り父に謝る息子。


父ありき [DVD] COS-018

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なんとストイックな親子関係なんだろう。
しかし、ストイックであるだけではない。
父と息子の間に愛情と信頼が
確かに存在していることを表現している。



これまで二人ともさんざん我慢をしてきたのだから
最後の数年くらい一緒に暮らしてもいいじゃないかと僕は思うが
そうはいかないのが小津が描く物語である。



二人が川釣りを楽しむとき、
同じ仕草を繰り返す後ろ姿の映像が
ダンスのようでなんとも美しく、印象深かった。


笠智衆の父を観ていると、
いつも自分の父の記憶と交差する。
小津映画は確かにクセになる。


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ところで、
きょうC&Cのオリジナルカツカレー携帯ストラップが終了、
阿修羅フィギュアも完売となった。



C&C新宿本店は一日20,000人の客が来て、
3,000個のストラップが15日間で無くなった。
当選率は推定10%である。
カレー10回食べずに一食目で当選してよかった。



阿修羅フィギュアは15日間で15,000個を完売。
一日あたり1,000個売れた計算になる。
フィギュアについて書いた日は
僕のデジタルノートにも普段の50%増しのアクセスがあった。


阿修羅フィギュアは色づかいが微妙で
ひとつひとつ手塗りで仕上げるため、
残念ながら急な量産には対応できないらしい。
中国に熟練した職人の数が不足しているのか。


予測と実績、需要と供給。
人の願望と経済に関連する法則がここにも働いている。