ブルガリアの赤ワイン、ENIRA2007

仕事が19時に終わったから、
まだ間に合うかなと道を急いだ。
カーヴ・ド・リラックスの有料試飲バーだ。
なんせ19時ラストオーダー、19時30分にバーが終了。
19時を少々回っていたが、僕が顔を覚えている店員Eさんが
「まだいいですよ」と言ってくれる。優しいね。



この店の従業員たちは
全員が本当にワイン好きでよく研究している。
あたりまえと言えばそうかもしれないが、
自分が売る商品を徹底的に研究して愛情も知識も豊富であり、
日々情報をアップデートするプロフェッショナル意識は
近頃社会に希薄になっているものの一つであるように僕は思う。



ともあれ、30分しかない。
白3種類、赤3種類をすべて50mlのテイスティンググラスで注文。
まずは能書きに頼らずに自分の感覚で味わう。
味わった後で、それぞれのワインの背景について
店のメニューで調べていく。



アクセントをつけるためのつまみは、今夜はドライフルーツ。
フルーツとフルーツだが、これがケンカせずになかなかよい。
困ったのは、久しぶりにテイスティングしたので
どれもこれもおいしく思えて、今夜のナンバーワンが選べないのだ。



きっかり19時30分に席を立ち、
店の販売は20時までだから、
きょう試飲した銘柄を確認しながら、ぶらぶらワイン棚を覗く。


いつの間にかそばに来ていた店員Tさんが、
「これ、買いですよ。僕も自分の分をストックしました」とささやく。
今夜試飲したブルガリアの赤ワイン、ENIRA2007である。
1700円。あと2本しか残っていない。
東欧のワインは僕はこれまでそれほど飲んでこなかった。
Tさんが薦めるなら一本買って帰るかな。




家でこのBessa Valley Wineryについて調べると、
2001年からワイン製造を始めている。
フランスでグランクリュを作っているワイナリーを
いくつも所有しているオーナーの持ち物である。
値段の割に品質が高いのはそのせいであるとTさんは言う。


  (小さめの写真4点はBessa Valley Wineryの
   ウェブサイト・ギャラリーから引用)


ポケット・ワイン・ブック 第8版 (ハヤカワ・ワインブック)

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