言葉はそもそも音であった


言葉がそもそも音であったことを思い出させてくれる
ライブイベントが昨夜開かれた。
東京コピーライターズストリートLIVE(vol.3)である。



当初からの中心メンバーのひとり、一倉宏は、
このライブイベントの元になった番組について


 「参加するコピーライターもボランティアなら、
  朗読する俳優や声優の心意気にも支えられて、
  いまどき珍しい「ことばを聴く」プログラムがつづいています。」
               (イベント・リーフレットより引用)


と位置づけている。



中堅からベテランまで17名のコピーライターが物語を提供し、
4名の俳優・声優(ゲスト出演+1名)が演ずる。
今回は神田のTokyoTUCを使ったが、
ここは海外のジャズ専門誌が選んだ世界のベスト100ジャズクラブに
日本から唯一選出されている。



  (ゲスト出演・山本高史。自作「プライド硬度計」を披露。
   2年ぶりの著書「伝える本。」が2月18日に発売されたばかり)


伝える本。―受け手を動かす言葉の技術。

伝える本。―受け手を動かす言葉の技術。


チームの要のひとり、ミキサー森田仁人が
TokyoTUCの音響空間を巧みに使いこなし、
観客たちにマイクの存在感を忘れさせ、
あたかも素で朗読する物語に耳を傾けている錯覚を起こした。



  (作品を朗読する譜面台の真下にまで観客がいる。
   息づかいまで聞こえてくる緊張感が心地よい)


イベントを手作りで作り上げたスタッフも
この夜集まった客も30代から60代まで広範に渡った。
終演後、女優のTさん、Sさんと
遅い晩ご飯を食べながらライブについて話していた。
三人のこの夜のベストが、
「アラスカの雪の上で」(大川泰樹/中山佐知子)で
一致していることが分かった。


この作品はアラスカに生きとし生けるものを
おのれの血と肉で養っていることを悟るカリブーの物語だ。
まるで神の視点の物語を聴いているようで、
地球という星を愛しく思い浮かべながら、
いつの間にか感情が揺り動かされている。



 (山本高史の新著「伝える本。」の入った封筒に
  手をかけるコトラン。
  僕より先に読みたいと主張しているのかね?)


過去二回のライブの作品の一部はネットで聴ける
興味のある方はそちらへどうぞ。


(文中敬称略)