雨の新橋巡礼、「庫裏」から「活力:魚金」へ


寒いとは言え春が来たせいなのか、
仕事が終わった金曜日、
新しい店を開拓してみたくなる日もある。



思えば、福島の酒「奈良萬」の縁である。
いただいた酒のあまりのうまさに夢心酒造のホームページを訪れ、
蔵元ともメールでやりとりした。
東高円寺の日本酒と和食の名店「天★(てんせい)」を知ったのも、
夢心酒造のホームページであった。


その後、mixiで「天★」や「奈良萬」のコミュニティを渡り歩くうちに、
新橋の和酒場「庫裏(くり)」を知り、今宵訪ねた。
芋づる式というやつである。



不況が続き閑散とした店が多い中で、
「庫裏」は19時以降は予約で埋まっていると言う。
「それまででしたら」と店主が言ってくれたので、
偵察がてらカウンターの椅子に腰を下ろす。


45mlの試飲から大中小の3サイズで
うまい酒、珍しい酒を楽しむ店である。
道路に置かれた看板にもご覧のように、
「当店には定番のお酒はございません」と書いてある。


僕の持ち時間はせいぜい30分だったので
試飲サイズで「夢心」「夢心 中垂れ」
「盗み吟醸 美幸別誂」の3種をいただく。
料金も大変良心的であった。繁盛するのも無理はない。



「庫裏」までの道すがら、
偶然見つけた「立ち呑み 活力(かつりょく):魚金」に河岸を変える。
新橋が誇る「魚金」チェーンの一軒。昨年5月に開店した。


どれどれ、ここもいい酒を揃えている。
しかも、100mlから注文できる。
銘酒を少量で頼める店が増えているのが目に付く。
サラリーマン天国・新橋と言えど、
ただ酔えればいいという店ばかりではないことを知る。



「獺祭(だっさい)」「鶴齢(かくれい)」
「ど(にごり酒)」をそれぞれハーフでいただく。
二軒合わせて6種の日本酒を飲んだが、
量にすると全部で二合半。
ほろ酔いで帰れるところがいいところ。


「活力:魚金」はまさにうなぎの寝床だが、
「桜エビと春キャベツのアンチョビ炒め」
さきいかの天ぷら」などつまみも上等だ。
常に満員で、一組帰ると、また一組やってくる。
小雨が降りやまないが、店の外でビニール傘片手に待つ人もいる。



小さな店だが、確かにここは
日本の活力、新橋の活力の源であるな。
僕も活力をもらったよ。