村上春樹『1Q84 BOOK3(10月-12月)』を読み終える。
(以下、ネタバレ含む)
- 作者: 村上春樹
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2010/04/16
- メディア: ハードカバー
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1984年も1Q84年も終わり、
物語はひとまず終わる。
しかし、これで本当の完結なのか、疑問も残る。
教団さきがけ、6人のリトルビープル、青豆の子宮で育つ生命、
空気さなぎの謎。どれひとつ、解決がついた気がしない。
もしかして、BOOK4が続くのか。
それとも、すべては読者の心の中に余韻として残され、
物語は完結したのか。
わからない。
それにしても、人は物語を希求する存在だ。
村上自身が小説や翻訳、エッセイを発表する以外、
私生活が謎に包まれているのがまたいい。
販促キャンペーンのインタビューとかで
作者が自作を語るのでは興が冷める。
その点、村上の小説家としての姿勢は完璧だ。
『1Q84』のような物語を書き進める作家の心理は
どのようなものだろう。
どんな孤独と集中から物語りが紡ぎ出されるのだろう。
ふと、そんな想像をしてみる。
この物語を読み進めていると、
ときどき月の存在を確かめたくなる。
その月はひとつか、ふたつか。
よく書けた物語にひたる時間は
人類が背負う苦難を少しだけ軽くしてくれるようだ。
それがすべての芸術の役割でもあるのだろう。
(文中敬称略)
★★★
デジタルカメラと濡れたタオルは、
東高円寺の和食居酒屋「天★」で発見された。
mixiでご主人に連絡を入れていたら、
休日にも関わらず返事をくれたのだ。
ありがとうございます。
「天★」で最後にいただいたにごり酒「どPink」、
確かにうまいけれど、油断のならない酒だ。
気をつけよう。
酒に罪はない。
なにかと油断が多い自分の責任である。