『iPadがやってきたから、もう一度ウェブの話をしよう』(2010)


梅田望夫さんの新刊が出た。
サバティカル明け、読者待望の一冊である。
タイトルは、『iPadがやってきたから、もう一度ウェブの話をしよう』。
書名、内容にふさわしくiPhone/iPadのAppストアだけでの
電子書籍としての発売である。


今月18日付の梅田さんのブログ
アップルの検閲を通過し発売されたことを知り、
その場で購入・ダウンロード。あっという間に読み終えた。



巻頭は『おもてなしの経営学』の著者、
プログラマー中島聡さんとの往復書簡。
これから一ヶ月、読者の質問なども参考にウェブ上で二人の対話が続き、
読者はそれを読む権利がある。
梅田さんらしい新しい試みだ。



1章から3章までは産経新聞
月一回連載された「ウェブ立志篇」の再構成。
僕はiPhoneアプリ産経新聞を無料で読んでいるが、
読み落としていた回もある。
こうして梅田さん自身による再構成で読むのは
思考と情報の流れを整理しやすい。


特に本書はグーグルとアップルの動きにフォーカスに絞っている。
現代のウェブ最前線や
ソフトウェア・ハードウェア・サービスについて
自分の考えをアップデートするには最適だ。



しかし、読者としてはこの二年間、
いくつかの例外的な仕事を除いて
梅田さんの考えを読むことはできなかったのだ。
そのためすっかりノドが乾いていて、
「あれ、これでもうおしまい?」
と量的に物足りなさが残ったことも事実だ。



幸い、この本と同時並行していたもう一冊の本、
飯吉透さんとの共著
『ウェブで遊ぶーオープンエデュケーションと知の革命』が、
9月8日にちくま新書から発売される。
この二冊と対話することから秋以降の知的活動に備えてみたい。


(と書き終えるや否や、
 シリコンバレーにいるはずの梅田さんから☆が飛んできた。
 僕もだいぶ慣れてはきたが
 このスピード感がいまを生きることなんですね)


おもてなしの経営学 アップルがソニーを超えた理由 (アスキー新書)

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