なぎら健壱『酒(しゅ)にまじわれば』(2010)


朝から小そうじ。きょうで5日目。
大そうじでいっぺんにきれいにはできないから、
小分けにして週末、正月休みに少しずつ片付ける。
始めるまではおっくうだが、
ガラス磨きにせよ、部屋の整理にせよ、
目に見えて成果が出るのがうれしい。
日頃の仕事では、目に見える収穫はそう簡単に得られないものだ。



日が暮れると、「ミニかんすけ」の出番が増えた。
錫のチロリで湯煎してやると、
燗酒が二割方うまくなる気がする。
居酒屋風にマカロニサラダ(自家製)、丸干し、まぐろぶつで飲む。




こうしたひとときの供には肩のこらぬ本がよい。
なぎら健壱『酒(しゅ)にまじわれば』を読む。
飲兵衛の話を書かせたら、なぎらの筆は天下一品。
「バカだねぇ〜」と笑いながら、
自分も飲めば似たようなものだと気づかされる。


酒にまじわれば (文春文庫)

酒にまじわれば (文春文庫)


なぎらが愛する「佇まいのいい店」「すがれた、年月を感じる店」は、
浮き世を過ごす身にはどこかホッとする宝物なのだ。


(文中敬称略)