イッセー尾形の歌う誕生日2011!


イッセー尾形の歌う誕生日2011!」を
原宿クエストホールに観に行く。
演目は以下の通り。すべて新作。
(タイトルは僕が備忘録として付けたもの。正式タイトルではない)



   1. 散歩じいさん
   2. 時計台で待つ女
   3. 酸素を売る男
   4. 返品を受けた男
   5. ムダづかいした女
   6. 天草五郎(完結篇補完バージョン)
   7. フォークソングの男(左近)


三列目の席でイッセーさんの舞台を観るのは初めてだった。
雪が降りしきる日だったから会場にはもちろん暖房が入っていた。
ほどよい気温に設定されていたが、
演技するイッセーさんからは真夏であるかのように
汗がほとばしっていた。
一人芝居は、とにもかくにも、まずは肉体表現であることを
あらためて思い知った。



最後の舞台挨拶で
「一寸先は闇のような手探りで渋谷ジアンジアンから
 ここまでやってきた。みなさんのお陰です」
イッセーさんがサラリとつぶやいた。
「一寸先は闇」。
なんと怖ろしい言葉であることか。



舞台に上がる以上、
たとえ一寸先が闇でも客の前で自らをさらし、
演じ続け、探り続けることになる。
僕たちも同様に「一寸先は闇」の日常を生きているのだが、
時間も空間も連続であると僕たちはつい思い込む。
思い込まなければ、やっていられないとも思うのだ。



イッセーさんは来年、還暦を迎える。
50代最後の年も丁寧な舞台づくりを心がけたいと
謙虚に、けれど意志を持って宣言した。