祝・復刊、小西甚一『基本古語辞典』(1984)


小西甚一先生の『基本古語辞典』(新装版)が復刊した。
昨年5月に都立多摩図書館の外部書庫から
ようやく二週間だけ借り出した幻の辞典である。
僕が探した限り多摩図書館以外では
都内では国立国会図書館にしか保存がなかった。
アマゾン他オンラインショップ、古書店
ずいぶん探してきたが見つからなかった。



基本古語辞典 新装版

基本古語辞典 新装版


この辞典がユニークなのは
教科書、大学入試で頻度の高い古語を6,241語集め、
解説から用例収集まで先生ひとりで成し遂げたことである。
大概の古語辞典は孫引きのさらに孫引きが多く、
そこまで編著者がこだわることは少ない。


古文の読解 (ちくま学芸文庫)

古文の読解 (ちくま学芸文庫)


腰巻に先生の言葉が載っている。


  学習辞典であるけれど、
  学術的には最高レベルから半ミリもさがっていないことを、
  あえて断言する。


  この辞書から、たんなる知識だけでなく、
  真実を追求しぬく徹底的なきびしさを学び取っていただけるなら、
  著者として本望である。


長らく絶版だった幻の辞典を復活し、
かつ1,575円という廉価で新装版を出版した
大修館書店の英断に拍手を贈りたい。
ありがとう!


古文研究法

古文研究法

(文中一部敬称略)