忘却と闘う狼煙


東日本大震災被災地から生まれた
「復興の狼煙(のろし)」ポスタープロジェクト
6月のカンヌフェスティバルでのお披露目に始まり、
今月はデリーのアドアジア、
ブエノスアイレスの広告祭で紹介した。
先輩、同僚たちが動いてくれた。
僕は裏方のひとりとして活動を続けている。




こうした活動を一番停滞させるのは
「忘却」である。


   前よりいい町にしてやる。


   大笑いできるその日まで。


前よりいい町はまだできあがっていないだろう。
大笑いできた日があれからあったろうか。



ポーランドを旅したとき、
地元の友人たちに頼んで強制収容所跡に連れていってもらった。
いまも当時のままそっくり残してあるのだ。
入り口にこんな意味の言葉が書かれていた。


   人間は忘却する動物である。
   だから、この場所を当時の姿のまま残すことにする。