内田樹『呪いの時代』(2011)を読む。
文章は平易だが決して読みやすい本ではない。
内田の論調がいたるところでゴツゴツとこちら側に
ぶつかってくる感覚だ。
- 作者: 内田樹
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2011/11
- メディア: 単行本
- 購入: 5人 クリック: 79回
- この商品を含むブログ (75件) を見る
呪いと祝福で現代をとらえるのは面白い。
マスメディアを中心に著名人、
もしくは突然スポットライトがあたってしまった著名人を
集中的に叩く現象が繰り返し見られる。
それは匿名性の「呪い」と考えると分かりやすい。
一方でソーシャルメディアを中心に
小さな「祝福」の言葉があふれるようになった。
これひとつとっても人々の気持ちや日々使う時間が
マスメディアからソーシャルメディアに動いていることが理解できる。
「呪い」は人の思考、行動を縛る。
「祝福」は思いがけぬ次の一歩につながる。
誰だって「呪い」より「祝福」を求めたくなるのは
自然の摂理であろう。