坪内祐三『酒中日記』を読む。
僕は日記文学・エッセイにときどきはまることがある。
池波正太郎、山口瞳、常盤新平らの日記を愛読してきた。
坪内は間違いなく三人の日記を深く読み込んでいる。
オマージュとしてこの本を書いているように僕には思える。
本書は酒、食べもの、本、人付き合いの話に終始する。
筆致は軽快。
日々グダグダ飲んでいるようで
独特の視点を持っているのが坪内の面白いところだ。
それにしても「著者謹呈」の本を
古本屋に売り飛ばしたのは誰なんだろう。
「著者謹呈」の紙を外してから処分するのが
せめてもの礼儀だろうに。
僕はこの本をアマゾン・マーケットプレイスで買い、
著者謹呈の紙を栞に使っていた。
(文中敬称略)