もし、クリエーティブの神さまがいるのなら


The MENA Cristal Awards審査初日。
地元中東・北アフリカの審査員はUAEレバノンから3名のみ。
うち1名はマレーシア、シンガポールで働いた経験を持ち、
いまはドバイをベースにするインド人CDのKさんだ。
国際的というのは多様性を受け入れることである。
ひとりの実例がKさんなのだ。



審査委員長がブラジル(彼の会社の名前はAfricaである)、
ロシア、ラトビア、スペイン、ポルトガル、フランス、イタリア、
シンガポール、そして日本からFさんと僕の2名。
いずれも国際広告賞で審査員を経験してきた
クリエーティブ・ディレクター揃いである。
13名のうちベルリンスクール・オブ・クリエーティブ・リーダーシップ
卒業生が僕を含めて3名いるのもなかなか凄い。
ベイルートに住む卒業生のCDも夕食時に合流した。



僕たちが審査するのは
フィルム、ラジオ、プレス、プレスクラフト、
アウトドア、インテグレイテッド。
かなり広い範囲に渡っている。
審査に使う部屋の名はトリポリルームである。



不思議なものでどの国で開催されるどんな広告賞でも、
それが広告クリエーティブに関するものであれば善し悪しが分かる。
議論もできる。
もしかするとそれは長年の職業的訓練に基づく
ニッチな能力かも分からない。
その能力を使ってこうして国籍の違う人たちと交流できる。
いわばその共同作品である審査結果が
次の世代へのメッセージになりうるのならこれほど有難いことはない。



クリエーティブの神さまが
もしこの世のどこかに存在するのなら、
その能力を僕にも授けてくれたことに頭を垂れて感謝したいと思う。
傲慢な言い方に聞こえたら許していただきたい。
他の人にはたやすくできるのに
僕には欠如している能力が同時に山ほどあるのだから。