世界の肯定的な面を強化する力


Creative Summitと呼ばれる一日が始まる。
The CUP審査委員長 Amir Kassaei、
ベルリンスクール学長 Michael Conrad、
スロベニア前大統領 Dr. Danilo Türkに続いて僕が話す。



Daniloはトルコ対スロベニアのバスケットボール試合会場で、
トルコ大統領に直談判。
The CUPイスタンブール招致を了解させたやり手政治家だ。
知性があり、クリエティビティに理解がある人物だと、
事務局長 Metaは僕に言う。



Daniloはスピーチが抜群にうまく声もいい。
ままよ、僕には僕にしか伝えられないことがきっとある。
度胸を決めて、ステージに上がるしかない。
この一年半考え抜き、あちこちで話して反応をうかがい、
その都度動画・静止画の材料を集め直して
Keynoteスライドにまとめている。
"Pollen and Bees (花粉とミツバチ)" である。
ソーシャル時代のコミュニケーションを事例を通じて読み解き、
僕たちが直面する危機と可能性を提示する内容だ。



幸い会場のみなさんの暖かい拍手と、
終了後何人かの方に声をかけていただいた。
ミツバチとして東京から飛んできて
いくばくかの花粉をこの地に運ぶことができたのかとホッとした。
プレゼンテーションは何百回、何千回やろうと
決して安心することはできない。
過度に慣れてしまえば、言葉は死ぬ。
いつだって油断のならぬ行為なのだと僕は理解している。



Creative Summit全体を通じて印象的だったのは、
みなさん、世界の肯定的な面を観察し
強化する動きをとらえていることだ。
その力はまだ弱いものだが、Social Creativityとも呼べる力の芽が
世界に誕生しつつあることを実感できたのが
僕にとってThe CUP、Creative Summitに参加した最大の収穫だった。
Social Creativityを持たぬ広告、コミュニケーションは
もはや過去の遺物になりつつあるのだろう。