イスタンブールは7つの丘を持ち、300の坂を持つ。
僕が歩く分には変化があって楽しいが、
お年寄りにはさぞかし厳しい環境なのだろう。
審査予備日が空いたので、地元のオフィスに顔を出す。
20人ほどの小さな会社で日本人はひとりもいない。
CDのErselとは昨年カンヌで会っている。
チャイをいただきながら作品を見せてもらう。
御礼に翌日のプレゼンテーションに用意したスライド、作品で
リハーサルを兼ねてみなさんにお話する。
ちょっとしたことだが、
こちらからもなにか差し上げると
とても喜んでもらえることを僕は経験で知っている。
いまは give and give and give and give and takeの時代なのだ。
その後、会社の近くでみなさんと昼食。
野菜や海産物のパテ、マリネの前菜、パンがとてもうまい。
僕はディナーでもこれにビール、ワインがあれば満足だな。
自慢のケバブも少しいただく。
スパイスの使い方がさすがに上手だ。
こうした機会のみなさんとの雑談は
とても栄養になり身にしみる。
現場の味がするのだ。
ホテルに戻って機材チェックしようにも会場自体ができていない。
「大丈夫、本番にはちゃんと間に合う」
と地元の人たちは笑って請け負う。
もし、イスタンブールがオリンピック招致競合で東京に勝ったとしても
彼らはきっと本番までには間に合わせると胸を張るに違いない。