J.D.サリンジャー/村上春樹訳
『キャッチャー・イン・ザ・ライ』を読む。
(ペーパーバック・エディション)
野崎孝訳で読んだのが中学生の時だったか、
あるいは高校に入ってからか。
都立T高校S先生のクラスで英文を読み、
僕は一発でイカれてしまった。
以来、J.D.サリンジャーは僕にとって特別の作家であり続けた。
キャッチャー・イン・ザ・ライ (ペーパーバック・エディション)
- 作者: J.D.サリンジャー,J.D. Salinger,村上春樹
- 出版社/メーカー: 白水社
- 発売日: 2006/04/01
- メディア: 新書
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40数年ぶりに村上訳で読みたくなり手にした。
初めて読んだときには16歳のホールデンにすっかり感情移入した。
いま新訳で再読すると、
16歳とまともに付き合うのは大変なんだなという感慨が混じる。
僕もそれだけ年を取った訳だ。
退学になったホールデンが両親に気付かれないように
夜中に家に戻りフィービーに逢いに行くシーンはいまでも圧巻だ。
村上訳ではp.273以降になる。
危うく道を踏み外しそうになるホールデンは、
フィービーとのやりとりで辛うじて日常に帰ってくる。
フィービーや、若くして亡くなったアリー、長兄のDB。
そうした家族との絆のようなものがホールデンをつなぎ止める。
著者の意向・契約で村上の解説が読めなかったのが心残りだ。
英文原作は1945年発表。
もう一度、読み直してみたい。
- 作者: J.D. Salinger
- 出版社/メーカー: Little, Brown and Company
- 発売日: 1991/05/01
- メディア: マスマーケット
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(文中敬称略)