水木しげる『劇画ヒットラー』を読む。
ときどき寄る新宿の大書店BF文庫コーナーに平積みになっていて
表紙が気になり、パラパラ中身を眺めて購入した一冊だ。
オンライン書店も便利で愉しいけれど、
街の書店の偶然性も僕は大好きだ。
ふらり買った本が当たりだったりすると嬉しいもんだ。
- 作者: 水木しげる
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 1990/08/01
- メディア: 文庫
- 購入: 5人 クリック: 28回
- この商品を含むブログ (52件) を見る
しかし、なぜ水木がヒットラーなんだろう。
そうか、ヒットラーも妖怪なんだ。
劇画に登場するゲッペルスもムッソリーニもチャーチルも
そう言えばみんな妖怪に見えてくる。
劇画だから就寝前の一冊にもふさわしい。
巻末にまとめた参考文献を縦横に活かし読み応えがある。
なぜ、ヒトラーとナチスの狂気が1930年代から40年代にかけて
ヨーロッパを、ソビエトを、アメリカを、日本を席捲したか。
考え尽くせる課題ではないが、
ときどき僕はこうしてこの課題に帰ってくる。
ナチス滅亡以来、人類はどれほど賢明になったのか。
(文中敬称略)