ランチのイノベーション「ランパス」


今週のランチはなるたけ初めての店に行ってみよう。
S駅駅ビル地下へ。
普段なら僕は和食「椿」に向かうが、
並びのハンバーグの店に行ってみる。
カウンター7席の小さな店だ。
昼のラッシュ時を避けているのに、
あれ、いつもと違って行列だぞ。



先客が会計するときにみんな本を出してスタンプをもらっている。
中には「いや、ありがとう。この値段じゃ申し訳ない」などと
店の人に御礼を言う客までいる。
700円のハンバーグ定食が完売している。
気になってちょいと調べてみた。



2011年に高知でタウン誌を発行している「ほっとこうち」が始めた
ランチパスポート、通称ランパスをみんな使っていたのだ。
地域の飲食店に依頼し、700円以上のランチが
すべてワンコイン500円で食べられる。
3ヶ月の期間限定で一店あたり3回使える。
利用の際にパスポート提示、会計のときにスタンプを押してもらう。



このランパスが東京に進出したのが2014年4月。
ランチ激戦地新橋・虎ノ門から始まり、
会社員たちにじわじわ人気が広がった。
気づいたときにはどの書店でも完売の大人気。
僕がようやく手に入れたのはつい最近発売された「銀座・築地版」である。



83軒が500円ランチを提供。
東京では日刊現代がパートナーとして発行している。
ランパスは一冊990円。
つまり3~5回でパスポートの元が取れる勘定だ。


いまでは日本全国にランパスは広がり、
エス・ピー・シーがビジネスモデル特許取得中。
世の中の隙間を見逃さず、ビジネスチャンスを創り出す人がいるものだ。
ランチにおけるイノベーションであるな。