この人、口は悪いが、実は優しいのではないか。
西原理恵子『家族の悪知恵ー
身もフタもないけど役に立つ49のヒント』を読む。
人生相談である。
- 作者: 西原理恵子
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2014/05/20
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例えば、こんな相談がやってくる。
「酒さえ飲まなきゃいい人」のダンナと
離婚すべきか否か。
西原の結論はこうだ。
「お金のせいで別れられない」
というあなたが一番だめ。
なんと小気味いい回答だ。
ダンナが悪で、自分が善と信じ込んでいる相談者に
タチが悪いのは損得の天秤にかけて逡巡しているあなたの方だと斬り込む。
上から目線で切り捨てるのでなく、
自分の体験に基づく下から目線で斬り込むからいい。
西原は苦労人だが、まわりの人間にも、
日々生きていることにも感謝しているのが伝わる。
巻末特別企画「西原家の悪知恵」の
息子・ガンジ、娘・ひよとの母子座談会も面白い。
前作『生きる悪知恵
ー正しくないけど役に立つ60のヒント』(2012)と併読して
毒書の秋を存分に愉しんでみてはどうだろう。
生きる悪知恵 正しくないけど役に立つ60のヒント (文春新書 868)
- 作者: 西原理恵子
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2012/07/20
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(文中敬称略)