離ればなれでも、つながっている


上司の壮行会に出席するため恵比寿にいた。
年の瀬の金曜日。人人人。
経済の影響が少しは給料や賞与に
反映している結果なのかしらん。
それならいいんだけどね。


僕が席を置かせてもらっている部署は
社のグローバル部門。
ここから海外に赴任する人もいれば、
海外赴任を終えていったん所属する人もいる
港のような部署である。
2年半一緒に働いた上司Mさんは
二度目の海外赴任で来週台北に旅立つ。



この一年だけでも何人の同僚を見送ったか数え切れない。
行き先は上海、シンガポール、ロンドン……さまざまだ。
お互いいつ離ればなれになるか分からない境遇だからか、
夜の会を通じて結束を固める機会も多い。



Mさんが北京時代に苦楽をともにした
日本人、中国人ふたりの女性秘書がビデオインタビューに登場したとき、
いつも笑顔のMさんが感極まってしばし言葉を失った。
「戦友」とMさんが呼ぶ二人の女性のメッセージを
事前に周到に準備したのは以前の敏腕デスク、
いまはグループ会社に勤めるKさんだ。
細やかな心遣いは、
異国に旅立つベテランにもきっと伝わったと思う。