井上ひさし「モッキンポット師の後始末」他(初出1971-72)


小説の文章って気持ちの深いところを
こんなにほっこり慰めてくれるものだったかなぁ
と不思議な気持ちになっている。
井上ひさし『短編中編小説集成第2巻』(2014)を読んでいる。


井上ひさし短編中編小説集成 第2巻

井上ひさし短編中編小説集成 第2巻


「モッキンポット師の後始末」連作5本は、
モッキンポット師とちょいと出来の悪い三人組の物語。
文章をゆっくり味わっていると、
何気ない風景描写、人物描写に心が引かれる。


そう言えば、この連作の主人公も「小松」。
以前読んだ『一週間』の主人公も「小松」。
井上が主宰していた劇団は「こまつ座」。
井上の分身のような気もする「小松」は、
作家にとってきっと大事な登場人物だったんだな。



10月もきょうでおしまい。
今週の東京は最低気温が10℃を割る日が来るらしい。
10℃を切ると「あ〜寒いなぁ」と体感が変わる。
秋が深まり、僕はゆっくり小説を読んでいる。
「モッキンポット師の後始末」は井上がはじめて書いた小説。



(文中敬称略)