佐々木高政『新訂・英文解釈考』(1980)


二週間の密度の濃い時間の後は
月火、年休をいただき五連休にします。
集中だけでなく弛緩が大事、とは桂枝雀師匠の教え。
緩急自在とまではいかないまでも
ワーク・ライフ・バランスは自分なりに心がけます。


新訂・英文解釈考

新訂・英文解釈考


佐々木高政『新訂・英文解釈考』読了。
Amazon.co.jpの記録によれば、
2014年1月18日にこの本を注文したとあるので、
三年近いマラソンでの読破でした。
著者の「はしがき」で僕は既にやられてしまいました。


   どうしても書かずには気がすまなかった
   というのが本音である。


   (中略)


   繰り返して読むうちに
   語気がなんとなく感得されるようになって
   自前で英語の本を読むのが(寝ころんで)愉しくなったという人が
   もし現れたら、わたしにとってこんな嬉しいことはない。
   冥利につきる話であるがわたしはそれをひたすら願う。


ね、(寝ころんで)がなんとも味わいがあるでしょう?
濃くのある英文がぎっしり並んでいるので、
一日に数頁ずつ読み進めてきました。



   (胡留さんの右足に注目!)


言語と思考の関係が面白いですね。
言語としての英語が、英語での思考を育み、
英語の思考の積み重ねが、言語としての英語を構築していく。
そんな感じでしょうか。
英語でなければ考えにくい、表現しにくい
思考の領域があることに気づきます。
もちろん日本語も同じで、
言語としての日本語と、日本語での思考は
双方向の関係になっているんですね。



20頁に及ぶ充実した索引まで読了したので、
今度はもう少し気楽に、周りの景色を見渡しながら
二度目の読破マラソンに挑戦することにします。


  2回目を読むときの苦労は1回目よりはるかに少なく
  しかも得られるものははるかに多いのである。


  (『英文解釈教室改訂版』p.314「あとがき」より引用)


名著『英文解釈教室』を執筆した
駿台予備校・伊藤和夫先生の教えでした。
次は三年かからないでゴールまで走れるかな?


英文解釈教室 改訂版

英文解釈教室 改訂版


(文中一部敬称略)