近所のシュー・マイスター

ひいきにしている靴屋Sは駅前の商店街にある。
親父がドイツのシュー・マイスターの資格を取得して
なかなか履きやすい靴を売っている。
その店で買った一足の前の部分がパックリ開いてしまい、
底のゴムも痛んできていた。
そんなときはこの店の「シュー・ドック」に入れにくる。
十日ほど入院させておくと靴底を真新しく直してくれるので
これでまたしばらく履ける。
一足の値段としては決して安くはないが、
こうして修理して修理して履いていればたいがい元が取れる。
靴に関してはドイツが先進国である。
親父によく似た青年が接客していた。二代目だろうか。
青年が店を継いでくれるなら、
靴屋に関する限り僕の行きつけは当分安泰である。