いきと野暮に挑んだ

九鬼周造先生が「いき」周辺の
人間の趣味志向を構造図にした六面体。
先生は1920年代8年間ヨーロッパに住み、
「いき」の構造をパリのアカデミーに発表した。
現代日本人ですら「いき」の本当の意味が
分からなくなっているのだから、
ヨーロッパの学者たち相手に説得するのは
さぞかし骨の折れる仕事だったに違いない。
論理でないものを論理を交えて説得する。
どんな時代にも志を持ち、
難行に挑む先達がいるものだ。
ベルリンスクールの卒業論文では
「いき」と「野暮」に僕も挑んでみた。
金曜日にベルリンに向けて出発する。
さて、どんな反応があるか。
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六面体の図は
John Clark:Kuki Shuzo
"Reflections on Japanese Taste
The Structure of Iki"
[Power Publications, Sydney,1997]
から引用。