ベルリンスクール入門(その4)

不定期連載と書いたものの
いざベルリンスクールについて書き始めると
泉のように次から次へと思いが湧いてくる。


僕の中ではベルリンスクールは
相変わらず活き続けている体験である。
いまも一日一日の仕事で学んだことを使い、
反対に未知の体験から学んでいる。
生身の人間を相手にしていることだから、
そうした学びはときに痛みを伴う。
思い通りにならないことももちろん多い。


しかし、困難な状況や
ケーススタディにない場面に出会っても
まずは落ち着いて自分の頭で考えてみる。
一呼吸置いてからメモにまとめてみる。
そしてもう一度考えてから(ときには一晩寝かせてから)
解決のための行動を試してみる。
他人の意見を聴き、
けれど他人の意見に惑わされず
自分の意見を伝える努力をする。
そうしたことを意識的にやるようになったのは
ベルリンスクールでの学びの影響が大きいと
僕自身は思っている。


もう一度
ベルリンスクール・オブ・クリエーティブ・リーダーシップ(BSCL)の
6モジュール、6つの柱をまとめてみよう。

 
 モジュール1 自分自身をリードする (ベルリン)
 モジュール2 クライアント/パートナーをリードする 
              (シカゴ/ニューヨーク)
 モジュール3 人々をリードする (ベルリン/ロンドン)
 モジュール4 企業/組織をリードする (ベルリン)
 モジュール5 革新性をリードする (東京)
 モジュール6 業界をリードする (ベルリン)


この6本の柱(ピラー)が
ベルリンスクールの目標である
クリエイティブ・リーダーシップという構造物を支える。


以上の6モジュール80日を18ヶ月の間に受ける。
入学試験、中間試験、最終試験、グループワーク、
卒業論文(提出/プレゼンテーションと質疑応答)に
すべて合格するとMBA(Executive MBA)を取得できる。
EMBAは社会で仕事をしている人のためのもので
ベルリンスクールのようなモジュール制もあれば
土日に集中するコース、平日夜間に続けるコースなどがある。


写真は元紡績工場を改築したベルリンスクール校舎。
入学したときはまだ土地の買収の交渉段階で
僕たちは仮の教室で学んでいた。
モジュール3からは
この校舎が僕たちのベースキャンプになった。
手前はシュプレー川
観光船が通り過ぎたり、
週末は釣りを楽しむ男たちの姿が見られる。


学ぶことに疲れると、
この川沿いをひたすら歩いて
頭をクールダウンするのが僕の習慣になった。
限界を越えて頭を使うと、
なぜか自然の中を無性に歩きたくなった。
僕は自分が散歩学派であることを知った。