19世紀末の工場跡で審査する


AWARDの審査はホテルから
タクシーで20分ほどのCarriageWorksで行われた。
ここは19世紀末から鉄道の車両工場だった場所である。
2007年の1月に劇場、ギャラリーなど
現代アートのための空間として再生した。
ベルリンスクールで使った
旧東ベルリンの再開発劇場に雰囲気が似ている。



広告クリエイティブの仕事をしている僕たちが
いかにも気に入りそうなスペースである。
建物内部はモダンにデザインされているが
そこここに工場跡地であるしるしが残っている。
コンクリートと鉄でできているから中は寒い。
薄手のセーターとジャケットを着ていてちょうどいい。



僕たちのチームは小劇場スペースであるBay19を使った。
朝9時から夜9時までテレビCMからバイラルCMまで審査する。
やっぱり今回も決して楽ではなかった。
北京の審査員が参加できず全部で9名。
僕とシンガポールから来たインド人審査員以外は
全員、オーストラリア(シドニーメルボルン)、
ニュージーランドの審査員。
プリントチームには
タイとシンガポール(オーストラリア人)の友人が参加していた。
一言二言、お互いの近況を交換する。
見知らぬ場所で知った顔に出会うのは心強いものなのだ。



AWARDはオセアニア、アジアのための国際広告賞。
アジアではタイの作品が多く、
中国、韓国、マレーシア、台湾などのエントリーも見かける。
日本の作品がほとんどなかったが、
僕たちがもっと注目していい賞だ。
アジアパシフィック地域も
アドフェスト、メディア、AWARDに加え、
来秋にはカンヌアジアもやってくる。
地域国際広告賞の創造的競争は望むところだ。



明日はきょう残した1カテゴリーの一次審査と
グランプリ、金銀銅を選ぶことになる。