僕たちにできる国際草の根交流


海外で知り合った人たちが東京にやってくるとき
僕に連絡をくれることがあります。
こうした出会いは一期一会なので、
どうにかこうにか時間をやりくりして会いに行きます。



ベルリンスクールのロンドンモジュールで
「リーダー・オン・ステージ」のクラスを担当してくれた
Mark Rittenbergがやってきました。
Markは南アフリカヨハネスブルグに住み、
世界中のエグゼクティブ(上級管理職)にコーチをしています。
Markのコーチングがおもしろいのは
声や身体をフルに使いこなしてリーダーシップを学ぶ点にあります。



人間の声にはそもそも音楽性があるけれど、
そのことを認識していないとせっかくの能力が阻害されます。
例えば、英語がどうしても上達しない日本人学生を
Markがコーチングしたときのエピソードです。
音、リズムに目覚めさせるトレーニングを課すことで、
その学生は積極的なコミュニケーションができるようになり
英語が格段に進歩しました。
知識だけでは感情表現にならないんですね。


Markも今度初めて東京にやってきて
これほどモダンな街に住む人たちがどうして英語を使えないのか、
とても不思議に思ったそうです。彼から見れば、謎なんですね。



このあたりに僕たちの英語力を向上させるヒントが隠れています。
海外の政治家や実業家が実に素晴らしいスピーチができるのも
どうやら偶然ではないことが分かります。
Markのように他にない経験や技術を持った人の番外篇の話を
リラックスした雰囲気で聴けるから、自分の時間を使う気にもなれます。
僕は英語力を身につけたことでずいぶん得をしています。


この夜は同居人、女優のTさんにも声をかけて四人で会食しました。
二人ともMarkに積極的に質問するから
話がどんどん広がって楽しくなります。
同居人はほとんど英語を話しませんが、
人に接する姿勢や知識のありようが国際的なのでまったく問題ありません。
むしろ、お客さんが興味を持ってあれこれ質問してきます。
僕やTさんはそのやりとりを通訳するので大忙しです。


くつろいだ雰囲気を演出するためには
僕たちが気に入っているローカルのお鮨屋さんやバーに連れていきます。
外国のお客さんはたいがいみんな喜んでくれます。Markも大喜びでした。
外国人がひとりでは絶対に行けない場所だし、
やたら高級という訳ではないから自腹でご馳走しても財布が傷まない。
まぁ、僕たちの精一杯のおもてなしです。


Markは次回来日するとき、僕たちと仲間のために
ミニワークショップをやることを約束してくれました。
こうしたコーチングをやる人は日本ではあまり聞いたことがありません。
実現するのがとても楽しみです。
こんな関係はビジネスライクにやろうとしたらとても作れないか、
よほどお金が必要かのどちらかでしょうね。


損得で動くわけではないけれど、
ちょっとしたおもてなしの心と、やりくりして作り出した時間と、
ある程度の英語能力があれば、世界はまだまだ開けていくし、
自分たちの成長のために得をするのは事実だし、実感です。
日本のいいところ、足りないところを見直す絶好の機会にもなりますね。
おおげさなのは苦手だから、ごくごく草の根レベルの国際交流です。


とは言え、今週はなかなかハードでした。
週のあたまには会社の仕事で勃発した事件の収拾に走り回り、
鎌倉に三日間缶詰になり、
最後は国際草の根交流でした。
なんだかノドが不調で、風邪の初期症状が出ています。



こんなときはハチミツジンジャーティー(写真上)。
すりおろした生姜に熱湯を注ぎ、
ハチミツを入れスダチ半分を絞った特製の飲み物です。
風邪のひき始めには身体があったまっていいですよ。
スダチがなければレモンでもライムでもカボスでも大丈夫。


幸い、天の恵みの三連休。
カレンダーに感謝して、静養することにいたしますです。