モルト宇宙を逍遥する


土曜日は銭湯ノザワランドに行き、
地元の台湾料理屋Fで食事をした後、
久しぶりにモルトクラブの開催となりました。
秘湯会副会長がこのクラブの会長、
同居人が副会長、僕が見習い会員です。


テイスティングしたのは6本。
左から順番に、



 1. Ben Nevis (1990) 16年
 2. Rarest of the Rare 33年
 3. Brora (1982) 19年
 4. Isle of Jura (1989年)16年
 5. The Scotch Malt Whisky Society/Cask 24.86 20年


2.はいまは存在しない6つの蒸留所の
少なくとも33年以上熟成させた樽のモルトブレンドしています。
ちなみに6つの蒸留所は以下の通りです。


 Kinclaith-Glasgow
 Ladyburn-Ayrshire
 Glen Mhor-Inverness
 Glen Albyn-Inverness
 Glen Craig-Speyside
 Carsebridge-Fife


5.は英国のスコッチモルト協会が
独自にボトリングしたモルトです。
Cask24.86は、
蒸留所番号24で協会が86回目にボトリングした
樽のモルトを意味します。


テイスティングの際に、
蒸留所名、ボトリング年の情報に惑わされず、
自分の五感のみを頼りにテイスティングする目的で
数字表記にしています。
ちなみに蒸留所番号24はザ・マッカランです。



 6. Glenburgie (1969) 36年


とうとう空になってしまったグレンバーギ。
60年代に蒸留されたモルトはもはや投機の対象になり
僕たちのこづかいではとても手が届かなくなってしまいました。
この頃は使用していた大麦の種類が現在とは違います。
貴重な一本でした。


シングルモルトウィスキーは量産ができません。
蒸留してから瓶詰めされテイストされるまで、
10年、20年、30年の時間が必要です。
同じ年に蒸留しても樽によって味わいが異なります。


さらに蒸留所でボトリングしたものと、
ボトラーと呼ばれる業者がボトリングしたものが存在し
味わいが多様に、無限に広がります。
モルトはそれ自体で
優れたワイン、日本酒のように小宇宙を形成しています。


僕たちはモルトクラブで
ときどきモルトの小宇宙を逍遥する楽しみを見つけました。


(参考資料:マイケル・ジャクソンモルトウィスキー・コンパニオン
 改訂版』土屋守監修、土屋希和子・山岡秀雄訳/小学館 2005)


モルトウィスキー・コンパニオン

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