25年くらい前にラジオCMのシナリオハンティングに
チームで佐渡島に出かけたことがあった。
仕事が終わり、さて晩飯に繰り出そうかと部屋に戻ると、
夜食用におむすびが置いてある。
なんの気はなしに食べると、これがうまい。
三ヶくらいあったと思うが全部食べてしまった。
これからご飯を食べにいこうというときに。
ロビーに集合すると相棒のFくんも
僕と同じようにおむすびを全部食べていた。
この米はいったい、なんなんだ。
翌朝チェックアウトするとき宿の人に尋ねると、
近隣のN米店がおさめる佐渡産のコシヒカリであることが分かった。
コシヒカリと言えば新潟が有名だが、
佐渡のコシヒカリはあいにく知らなかった。
爾来25年、我が家の御用達米に指定して
N米店から10kgずつ取り寄せては食べてきた。
なぜ、佐渡のコシヒカリが島の人以外に知られていないか。
その秘密は、あまりにうまいんで島の人が全部食べてしまって
それ以外に売るほど量が残らないんだそうだ。
そんな米を分けていただき本当に感謝している。
おまけにきょうは自家製の干し柿までいただいた。
他人と信頼関係を長く築くことは、
生きていく上でとても大切なことだと
僕はしみじみ思うのだ。
日々のごはんがおいしいだけで
人生は何十パーセントかは幸福である。