暑気払い、二枚付け新子

副会長が暑気払いと銘打って
同居人と僕に鮨をご馳走してくれると言う。
いまどきいい話だ。


副会長が20年来ひいきにしている
新橋烏森神社そばの鮨屋Uに出かける。
ネタもよければ、職人Sさんの腕もよく、
会計も(おそらく)良心的な副会長価格。
この時代、三拍子揃っていることがなにより強い。



さて、この時期の秘湯会の鮨と言えば
なにはともあれ、新子。
8月初めに比べるとだいぶん育ってきて二枚付けになる。
走りの頃の四枚付けは珍しいけれど、
味がよくなるのは断然二枚付け。
それを夏が終わらぬうちに味わっておこうという趣向である。



この日はカウンタ−の両側に
60代から80代の高齢の客が仲間や夫婦でいたのだが、
みなさんよく食べ、よく飲み、よくしゃべり、よく笑う。
人生を楽しむコツのひとつは
どうやらこのあたりに転がっているんだなぁ、
と三人でいたく感心する。
そのコツを僕たちも学びたいものである。