ベルリンの壁が崩壊して、
いまでは遺跡のようにわずかのエリアに残るだけだ。
たかがこんな壁が東西ドイツの人間を隔てていたのだ(写真下)。
「ベルリンの壁が無くなった代わりに
人類はいままた別の壁を創り出しているのではないか」
というのがコンラッド学長の指摘だ。
その壁は差別とか固定観念とかなんだろうか。
さっきまで冗談を言っていたかと思うと、
突然、こうした深い一言が出てくるのがコンラッド学長だ。
(後で確認したが、この考えは学長の独創でなく、
今度の結婚式の新郎であったセバスチャン・ターナーの考えであった。
セバスチャンは広告会社CEOを引退し、
科学技術振興のためのアインシュタイン財団を設立したのだ。
おそらくセバスチャンとの会話の記憶から学長がつぶやいたものと
考えられる。2009.10.2追記)
ヘルガ夫人が観たがっていた美術展・写真展を一緒に大急ぎで観て
その後、コンラッド・ファミリー三人と別れた。
こうした友人たちとはめったに会えない代わりに、
会えたときにはとても濃い時間を過ごしたような満足感が心に残る。
ひとりになってから一年半ぶりのベルリンの街を歩いた。
9月が終わろうとしている。
そぞろ歩きにはとてもいい季節だ。