正月二日の午前中と言えば朝風呂である。
秘湯会のホームグラウンド、井戸水銭湯E湯に出かける。
大晦日やら二日の朝風呂やらは
普段来ない客が来ていて普段より混雑している。
親子も見かける。これでよい。
身近な銭湯が廃業しないためには、新規顧客の開拓が鍵である。
(地元の庭園土木業「ガハハのおじさん」が飼う烏骨鶏は
正月も元気である)
三が日は近所を歩いていても静寂そのものである。
昼のうちはまだ陽の光があるから寒くても気持ちにゆとりがある。
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昨夜は、クシシュトフ・キェシロフスキ監督の
「ふたりのベロニカ」を観る。
ポーランドとフランスに生まれたふたり(イレーヌ・ジャコブの二役)が
お互いの存在をテレパシーのような感覚で知覚する。
ふたりの接点は一度だけポーランドであるが、
そのときパリのベロニカは、ワルシャワのベロニカには気づかない。
ブルース・シュウォーツの人形劇と
人形つかいの男が物語の狂言回しとなる。
音楽も撮影も素晴らしい。
ベッドシーンも美しく、濡れ場はこんなふうに撮ればいいんだな、
と少し職業的視点で眺めてみる。
(この巨大なカメがなんで置いてあるのか不思議に思う)
93年の暮れから94年の正月にかけて
ロンドンの友人とポーランドを旅したことがあった。
ふとした幸運でポーランドの友人の家に泊めてもらい数日を過ごした。
ワルシャワから列車で東に200km、現在のベラルーシ国境近く、
チェレンハという小さな街だ。
中途、チェレンハよりかなり大きな街、ルブリンで
友人の友人の家に一晩泊めてもらい、
そのときナチスが使っていた強制収容所も案内してもらった。
16年前の旅の記憶が
この映画の一シーン一シーンと重なってくる。
こうした傑作と向き合うのに年末年始の休暇はふさわしい。
2010年最初の映画作品としていいものを観せてもらった。
イレーヌはこの作品で1991年カンヌ国際映画祭主演女優賞を受賞した。