友人のプロデューサーMさんが小慰労会を開いてくれた。
僕のためではない。
先頃、三度目のTokyo Copywriters' Street Liveをやり遂げた
同居人、副会長を招いての慰労である。
僕は客のひとりとして参加しただけで
ライブのためになにもしていないのだが、
Mさんの好意で同席させてもらうことになったのだ。
なにもしていなくても、人に慰労されるのは好きなたちである。
メトロ外苑前駅からキラー通りを
明治公園方向に歩いて約10分。
「ヘンドリックス・カリーバー」が今宵の宴席だ。
60年代後半にシュトゥットガルトで行われた
ジミ・ヘンドリックスのポスターがトイレにひっそり飾ってある
小さなレストランである。
カリーバーというだけあって、
カリーやナン、タンドリーチキンが名物。
ほたるいか沖漬け、なんこつ餃子などのメニューもある。
インド料理専門のレストランという訳ではない。
めいめいが好みの料理を注文して、互いにシェアする。
話題があちこちに飛びながらも、
この前のライブ、次のライブに話が行きつ戻りつする。
こうした時間がライブという試みを熟成させるのに必要なのだろうと
ガーリックナンにカリーのルウをつけながら僕は考えている。
主役は他のふたりなので、今夜はなるべく聴き手に回る。
アルコールがいい感じにまわってきたので、
僕はときどき外に出て空気を吸ったり、
ラッシーやチャイを頼んで一休みする。
誰もやったことのない何かを創り出すには
誰しも根気と情熱と一休みが欠かせないのだね。