佐藤尚之『明日の広告 変化した消費者と
コミュニケーションする方法』を読む。
2008年1月に出版されたロングセラーである。
発表されて2年以上が過ぎたが、僕にはいまが読み頃であった。
明日の広告 変化した消費者とコミュニケーションする方法 (アスキー新書 045)
- 作者: 佐藤尚之
- 出版社/メーカー: アスキー
- 発売日: 2008/01/10
- メディア: 新書
- 購入: 40人 クリック: 540回
- この商品を含むブログ (168件) を見る
SLAM DUNK(スラムダンク) 完全版 全24巻・全巻セット (ジャンプコミックスデラックス)
- 作者: 井上雄彦
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2002/03/22
- メディア: コミック
- 購入: 2人 クリック: 282回
- この商品を含むブログ (180件) を見る
佐藤らが手がけた「スラムダンク一億冊感謝キャンペーン」は
そういうことだったのかと、
キャンペーンのラストシーンを読んでいてジーンとした。
僕自身はこの広告の対象ではなかったから、
おそらくこのコミュニケーションの価値が
以前はよく分からなかったのだ。
佐藤は変わってしまった消費者と対話するために、
広告を職業とする者や業界が変わらないといけないと
一貫して主張する。
しかし、危機をあおるだけでなく、
消費者のためのソリューションが求められる今こそ
エキサイティングな時代なのだと僕たちにメッセージを送る。
そのためのコミュニケーション・デザインなのだ。
『明日の広告』には
人を脅迫するだけの否定的コミュニケーションでなく、
不完全ながらも自ら出口を示した
肯定的コミュニケーションの実例がある。
出口を示し、みずからがリーダーとなって
現場で汗をかいていることが、
業界を越えてこの本が支持され続けている
最大の理由であると僕は思う。
この本を契機に筆者が1995年に開始したサイト、さとなお.comも
ひんぱんに訪ねるようになった。
ここには紛れもない「おもてなしの精神」があり、
訪れるゲストとほどよい距離を保つ店主、さとなお氏がいる。
(文中敬称略)