マイケル・サンデル
『これからの「正義」の話をしよう』(2010)を読む。
読み応えのある本だが、アマゾンのベストセラー1位である。
こうした著作に挑むみなさんの読書熱は素晴らしい。
僕も暑さにだらけず取り組もう。
(サイト "Harvard University's Justice
with Michael Sandel" より引用)
NHK「ハーバード白熱教室」で講義が放映された影響もあるだろう。
サンデル教授の政治哲学講義 "Justice(正義)"は、
14,000人の学生が聴講した、
ハーバード大学史上もっとも人気のある講座である。
(下線部をクリックすると、
サンデル教授の録画講義を無料で見ることができる。
自分が会話に参加することもできるサイトである。
NHKの番組を見逃した人もぜひどうぞ)
これからの「正義」の話をしよう――いまを生き延びるための哲学
- 作者: マイケル・サンデル,Michael J. Sandel,鬼澤忍
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2010/05/22
- メディア: 単行本
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10章から成る本文には
毎回悩まされる現代の社会問題が取り上げられる。
「金を支払うことによって兵役を逃れることは正義か否か」。
例えば、そんな問題だ。
普段は無意識のうちに考えることを避けている問題に直面すると
否応なしに自分の考え方、価値観、生き方が問われる。
学生たちとのディスカッションで進められる講義は
さぞ白熱することだろう。
本書にはアリストテレス、カント、ルソー、ロバート・ケネディらの
思索の到達点が随所に登場する。
人類の政治哲学史の成果が、現代の議論に活きるのだ。
あらためて古典の原著や演説原稿を読んでみたい意欲にかられる。
知的好奇心を刺激されるだけでなく、
その後の行動を問われるのが本書の特徴だ。
原著の副題は、"What's The Right Things To Do?
(どう行動するのが正しいことなのか?)"である。