玉菊湯から、富士屋本店へ


さてさて、一週間分の仕事が終了しました。
仕事でこわばった心身をほぐすには、
僕の場合、やっぱりまずは「ゆ」の字ですね。



今宵は四の橋、玉菊湯へ。
麻布十番温泉が無くなってお嘆きの諸兄にも
こいつはうれしい、井戸水黒湯です。
都内の銭湯にはまだまだ黒湯が残ってます。



玉菊湯は工事ならなんやらで不定期休らしく
たまたま今日だけ開けていたのはラッキーでした。


湯上がり、都営バス06番に揺られて
渋谷駅そばの立ち飲みの老舗「富士屋本店」へ。
一度は来てみたかった店です。




地下に続く階段を降りて店に入ったとたん、
店員、客、酒、料理が創り出すオーラに包まれる。
1960年創業、以来50年。
半世紀かけてできあがった時空間は理屈抜きで心地よい。
さすが酒仙のみなさんが大推薦するだけのことはある。




木のカウンターの一角に立ち、瓶ビールとハムキャ別で始める。
ハムキャ別は「富士屋本店」の看板メニューのひとつで
たっぷりの刻みキャベツにロースハムを気前よくのせて300円。
しばらく酒場浴(浜田信郎さんの造語)しながらあたりを眺める。



外国人二人連れがいたり、
文庫本を読みふける中年男性客がいたり、
テレビ下を陣取る常連客あり、
ひとりでふらりと入ってくる女性客あり。
渋谷のオアシス生態系はなかなか観察しがいがある。


こうして僕は週末のほろ酔い文化人類学者に
変身してゆく。



   (出汁につかった湯豆腐、200円也。燗酒と愉しむ)


ひとり呑み-大衆酒場の楽しみ

ひとり呑み-大衆酒場の楽しみ