レンタルショップがつぶれていた!


せっかくの三連休だから
見逃している映画の一本でも観ておくかな、
と駅向こうのレンタルショップに出かけたら、つぶれていた!
やっぱり。



オンラインでDVDなどが手軽に借りられるようになり、
Apple TVで直接コンテンツのデジタル購入が可能になる時代だ。
スペースのため品揃えに限界のある、特徴のない店は
早晩やっていけなくなるだろうと思っていたのだ。
これで我が町にあった三軒のレンタルショップは全部つぶれた。
いずれも個人経営だったり、小規模チェーンだった店である。



代わって、大手Tの支店ができた。
確かに、量は豊富である。
駅の近くのコンビニで返却できるのも有難い。
けれど、大手にしたって、
オンラインショップで直接コンテンツを貸し借りしたり、
デジタル情報のまま購入できる状況がさらに進めば安泰とは言えまい。



我が町の書店は四軒あった店が現在二軒。
普段利用しない書店の品揃えを確かめにいくと、
2/3がマンガ、残りが文庫本と雑誌。
単行本は話題の最新刊のみに特化していた。
客がそれなりには入っていたから、
個人経営の町の書店としてはサバイバル戦略なのだと思う。
ただし、本屋の持つ魅力は少なくとも僕にとっては乏しい。



山田風太郎の文庫本を5冊と
「文藝春秋」の最新号を買った。
この本屋では初めての買い物だ。
角川が山田風太郎のベストコレクションを刊行し始めた。
中島らも池澤夏樹が面白いと太鼓判を押していて
僕もちょうど読みたかったのだ。



僕は日頃AmazoniTunes StoreApp Storeなどを使い、
本、音楽、アプリケーションなどの検索や購入に重宝している。
みんな、たいがいそうだろう。
しかし、物事には長所があれば短所もある。
そうした場所だけで購入を続けていけば、
コンテンツに関わる町のリアルな店はいずれ消えてゆく。
書店も、DVDショップもなくなった町は、
チェーン店だけが生き残り、個人経営の店が滅亡する町は、
町の顔つきはしていてもなにかが欠けている。
そのなにかは人間の暮らしに必要なものであると僕は考える。


(文中敬称略)