2011 東京獺祭(だっさい)の会


いやぁ、こんなに愉しいパーティも世の中にはあるものなんだね。
山口・旭酒造主催「2011東京獺祭の会」(第一日)に参加した。
今年は従来の一日開催から金土日の三日開催に延長。
事前予約の客のみ受付。三日間で1,000人近くが来場する。

 


僕は以前から獺祭のファンで、
次期四代目蔵元杜氏のブログを読み、
現蔵元が発行するメルマガの読者登録もしている。
その縁で知らせが届いたのだろう。有難い。
出席者のほとんどが日本酒業界人のようであったが、
僕のようにインターネットで申し込んだファンも紛れ込んでいた訳だ。



17種の新酒すべてと非売品の仕込み水がすべて味わえる。
開会と同時にせっせと試飲を続けたが、
12月限定発売の3種は他の飲兵衛たちにすべて飲まれてしまった。
13種の新酒と仕込み水をいただいた(1種は飲み忘れた)。
以下がそのリスト。


   純米大吟醸磨き三割九分
   純米大吟醸50
   純米大吟醸磨き二割三分
   純米大吟醸45
   発泡にごり酒50
   発泡にごり酒磨き三割九分
   遠心分離磨き二割三分
   遠心分離磨き三割九分
   遠心分離50
   遠心分離おりがらみ磨き三割九分
   温め酒50
   寒造早槽48
   発泡にごり酒純米大吟醸磨き二割三分(12月限定発売)


   仕込み水(非売品)



入り口で会費4,000円と引き替えにもらった特製お猪口と
会場にある小グラスで少量ずつ試飲する。
手元には試飲全品目のチェックシートがある。
蔵元桜井博志を筆頭に4月入社の新入社員まで
客ひとりひとりと獺祭を語り、新酒でもてなす。
それなりの量があった料理がみるみる食い尽くされたのには驚いたが、
今宵は獺祭を心ゆくまで味わうのが僕が参加する唯一の目的。
空きっ腹で飲むと酔いが早く回るので
それを避けるくらいの食べ物が少々あればそれでよい。



パリとニューヨークから酒造りを勉強に来ている外国人もいて、
山口が誇るこの蔵は、日本酒の美味さを海外でも知ってもらおうと
大変な努力を重ねてきている。
獺祭の今日の成功をうらやむ人もいるが、
それにはそれだけの情熱、夢、研鑽、チームワークがあるのだ。
成功は偶然ではないし、一朝一夕の果実でもない。



桜井の夢はまだ続いている。冒頭であいさつがあった。
「日本酒が苦手と思い込んでいる人にこそ、
 みなさんから獺祭を薦めていただきたい」
謙虚だが自信を持って、桜井は場内のゲストに頭を下げた。
こんな日本人がいて、生涯をかけて自分の仕事をしていることを
一ファンの僕も誇りに思う。
盃、グラスを重ね、陶酔の世界にやがて入っていったが、
翌朝に少しも残らぬ酒だった。



(文中敬称略)